ソフトバンクが仮想通貨の基盤となるブロックチェーン技術を活用した国際送金や決済システムを開発していることが分かりました。日経新聞により伝えられています。

米スプリントや韓国のKTなど海外の通信大手と連携し、購入した商品の支払いを携帯電話料金に合算させる決済サービスなどの実用化を目指しており、まずは2018年度の日本と台湾での旅行者向けに実証実験を行う予定です。

実証実験では、小売店が専用のタブレット端末を用いて、画面にQRコードを表示し、利用者からはスマートフォンの専用アプリで読み取ることで決済を完了させ、さらに日本でよく使われている、おサイフケータイなどの非接触ICを使った読み取り方法も検討しているとのことです。

決済データはブロックチェーン上で管理する事で、代金は後日、携帯電話料金に加算して請求される形としています。ソフトバンクとしてはまず、実証実験をすることで利便性の把握とブロックチェーン上にデータを残すことで、今後どのような使い方ができるか模索する狙いがあると考えられます。

また、ブロックチェーン上にデータを管理する事で、今までサーバーでデータ管理することでのハッキングによる書き換えがされるようなリスクがなくなるために新しくデータ管理するにはコスト面においても最適と言えるでしょう。

日本においてはまだ現金決済が主流ですが、隣国である中国においてはアリペイなどの電子決済が普及しており、ソフトバンクは今後日本においても電子決済が普及すると見ており、まずは今回、旅行者向けにサービスを展開していくとのことです。

現状の日本では外国人観光客によるインバウンド効果や2020年の東京オリンピックでの海外からの訪日観光客が多く来られるのを見越して、企業がそれぞれ準備や対策を練っています。

ソフトバンクがブロックチェーンによる実証実験で得た経験により、独自にサービス拡大をすることや、様々な携帯キャリアと合同でしていく可能性も考えられており、また、ブロックチェーン上で今後管理ができるようになれば、既存のソフトバンクショップを減少させて人員削減をし、すべてスマホ上で完結できる体制を作ることも可能になると見られています。このシステムが完成すれば、ソフトバンクは日本においてブロックチェーン技術の革新的な立場を確立させる事でしょう。

参考:日本経済新聞