イタリアの仮想通貨取引所であるBitGrail(ビットグレイル)が8日、仮想通貨のNano(XRB)を1,700万XRB(日本円で約200億円相当)流出させた問題を巡って、様々な憶測が飛び交っています。

ビットグレイルはNanoと呼ばれる仮想通貨を取り扱っており、独自にNano建ての仮想通貨取引も展開しています。(15日現在は取引停止中)

Nanoは以前、ライブロックス(Raiblocks)という名前で取引されており、送金速度が超高速、さらに送金手数料が無料という特徴があります。

Nanoが注目されるきっかけとなったのは、ビットコイン(BTC)による送金手数料が割高になったことや、送金してもなかなか相手側に届かない事など、スケーラビリティ問題の解決になるのではと期待されていました。Nanoは次世代の仮想通貨として注目されつつ、大手仮想通貨取引所のバイナンスで次に取り扱って欲しい仮想通貨のファン投票では1位になったこともありました。

しかしながら、そのような状況の中、ビットグレイルに対するハッキング被害によりユーザーを失望させてしまうきっかけになってしまい、ビットグレイルのCEOである、フランチェスカ・フィラノ氏は、SNSやインターネット上で様々な脅迫や非難を受けています。中にはフィラノ氏が横領をしているのではないかといった憶測も見られます。

フィラノ氏としてはNanoの開発チームとやりとりしている所であり、ユーザーへの具体的な対応は法的に決まり次第、コメントをすると発表しました。また、現在、売買取引や入出金が無効になっていることは、法的な問題のためとしています。

大手取引業者であるバイナンスにおいてはNanoの流出被害が報告されていない事から、取引所を利用する際にセキュリティ対策をしっかり行っているか慎重に見極める必要があります。

国内においては、先月26日にコインチェックで起きたネム(XEM)の不正送金の問題もまだ記憶に新しいでしょう。コインチェックでは流出したネムの補償を、流出発覚前後のレートに基づき日本円で返金する予定です。

仮想通貨を取引する際は取引所リスクがあることを前もって知っておくことも重要です。ビットグレイルのNano流出を巡っては、いち早い取引所の復旧と事件の解決が望まれます。

参考:Bit Grail