米大手写真用品メーカーのEastman Kodak(コダック)が、1月31日からICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)を実施することが分かりました。

コダックの公式発表では、ブロックチェーンを活用したKODAKOneプラットフォーム上に写真や画像を登録することで、ライセンス契約なしに写真を使用された場合でも権利を持っている写真家に即時支払いが行われるシステムとなっています。交換媒体として独自の仮想通貨「コダックコイン」が使われるとしており、また、このサービスの運営はWENN Digital社との提携で行われます。

インターネット上では写真や画像の不正使用などによる著作権侵害がしばしば問題になりますが、KODAKOneプラットフォームではスマートコントラクトにより、デジタル画像の登録、移動、販売を低コストで迅速に行うことができるため、このような問題も解決できると期待されています。

今回の発表の中で、米コダックのCEOである、Jeff Clarke氏は以下のように述べています。

「多くのテクノロジー業界にとって、“ブロックチェーン”と“仮想通貨”はバズワード(流行語)となっておりますが、長い間自身の仕事に対する支配を確立しようと奮闘してきた写真家たちにとっては、このバズワードたちが解決できなかった問題を解く鍵となるでしょう。」

「コダックは、写真を民主化してアーティストにとって公平なライセンスを提供しようと常に努めてきました。これらの技術は、その実現において写真のコミュニティに革新的な、そしてより簡単な方法を与えてくれます。」

WENN DigitalのCEOである、Jan Denecke氏は以下のように述べています。

「新しいプラットフォームの活用で、写真家たちは自分たちの仕事内容と、それによって得られる収入が確実に、かつ安全に処理されることが知られるという点が重要です。これは私たちがコダックコインで行うことそのものです。」

「最高水準のコンプライアンスのためにも、コダックコインは写真家への公平な報酬の支払いと、適切な資産管理を組み込んだ新しい経済の一歩を踏み出す機会を提供していくことに尽くします。」

コダックは1880年創業、長い歴史の中で写真業界に大きく貢献してきました。また、世界で初めてデジタルカメラを開発したことでも知られています。

今回のKodakOneのICOは1月31日から、米国、英国、カナダおよびその他の一部の国で開始される予定です。

参考:KODAK ONE , Kodak