イスラエル銀行(イスラエルの中央銀行)の副総裁である、Nadine Baudot-Trajtenberg氏は8日、ビットコインのような仮想通貨は通貨ではないとの姿勢を明らかにしました。
Trajtenberg氏は、仮想通貨に対する見解を以下のように述べました。
「ビットコインなどの仮想通貨は通貨ではなく、外貨とも見なされません。イスラエル銀行としては、これらを金融資産と見なす必要がありますが、仮想通貨は通貨としての法的な定義に適合しません。」
現在のイスラエルの法律上では、仮想通貨を明確に定義するものがなく、このため、マネーロンダリング(資金洗浄)やテロ資金など犯罪に使用される可能性もあるといった点も付け加えています。
また、イスラエルでは、中央銀行により自国通貨の新シェケルのデジタル化を検討していますが、こういったものとは性質の異なる仮想通貨には投資家保護の観点からも懸念をしているようです。
「現在利用されている仮想通貨は政府や中央銀行など公的機関の管理がなく、また仮想通貨に対し若者の関心が高まっていることも問題視しています。ボラティリティ(価格変動率)の高さや、十分な監督が出来ていないことで、急に損失を被る可能性もあります。」
仮想通貨は価格の乱高下も激しく、通貨としての利用よりも単に儲かるといったことで、投機的な参加者も増えています。このような問題を解決することも念頭に置いて、中央銀行の監督部門では調査する内部チームを設置し、また仮想通貨を使った不正行為に対処するために必要な措置を講じる必要があるとしています。
今回の声明では、仮想通貨を禁止するといった話ではなく、どのように受け入れるべきか検討していると考えられます。今後、中央銀行が管理した上での規制がされる可能性もありますが、これが市場にとって良い規制であることが望まれます。