国内外問わず、投資家以外からもビットコインなど仮想通貨への関心が高まっています。これまで、世間一般のイメージとして仮想通貨(暗号通貨)は「怪しいもの」、「マネーロンダリング」、「ギャンブル」といった見方もされていましたが、今日では「手軽にできる投資先」として認識されてきています。

一方、仮想通貨投資家からは家庭で話題になるようになったらお終い、「靴磨きの少年だ」という声も以前は多く聞かれましたが、最近では風潮が変わってきているように見られます。

日本国内では法整備が進められ、取引所がテレビCMを流したり、電車のつり革広告でも目にするようになりました。また、大手企業の参入も増えてきていることも相関しているとの見解もあります。ここのところの資金流入量の勢いは止まらず、14日現在仮想通貨全体の時価総額は5,000億ドル(約56兆3,000億円)の規模にまで拡大しています。

カナダロイヤル銀行のグループ企業、RBCキャピタル・マーケッツのアナリストである、Mitch Steves(ミッチ・スティーブス)氏とAmit Daryanani(アマット・ダリャナニ)氏は、まだ仮想通貨ブームの始まりに過ぎないと考えています。

12日の調査レポートで、短期的には価格予想を行うことは難しいとし、以下のように見解を述べました。

「長期的には、仮想通貨はこのレベルを保ち、今後大きな市場になるだろうと考えています。仮想通貨全体の市場規模の長期予測は、今の5,000億ドルから10兆ドル(約1,126兆円)の規模になると予想します。」

アナリストたちは、これが半導体企業NVIDIAにとって大きな好材料であるとみています。GPUを作るNVIDIAのような企業は、特に仮想通貨マイニングに利用され、仮想通貨全体の市場規模拡大の恩恵を受けると考えています。

最近のビットコイン(BTC)、やイーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、などへの新規投資家の流入で、それらの価格が急上昇し狂乱的な相場となっています。

ビットコインの現在の時価総額は2,800億ドルであり、イーサリアムの時価総額は700億ドルです。3番目に続くビットコインキャッシュ(BCH)や、その次のリップル(XRP)を合わせても500億ドルほどで他の仮想通貨は時価総額は小規模なのが現状です。対してビットコインは、市場全体の時価総額の約半分を占めています。

一方で、キャピタル・エコノミックスは最近の分析によると、ビットコインの時価総額は依然として小さすぎて、たとえそれがなくなったとしても、大きな経済的影響はないとされています。

この分析では、ビットコインが崩壊したとしても米国株式市場の規模で試算するとわずか0.6%の低下と同等であると試算しています。仮想通貨バブルと言っても世界経済規模からみると、小指の爪のような小さい存在だということが分かります。

仮想通貨は今日ではまだ小さいものの、多くの大手銀行の見方はRBCと同じような考えを持っています。供給量に限りがあるビットコインの発行総量が最終的に2,100万で上限に達した後は、価格がより高くなる可能性があるケースも予測されています。

ビットコインの初期からの投資家であるChamath Palihapitiya氏は、CNBCに対して以下のように語りました。

「あるコインの価値は今後、数年間で10万ドルになり、20年後には100万ドルになる可性がある。」

ファンド・オブ・ファンズ(複数の投資信託に投資をする投資信託)のモルガン・クリーク・キャピタル・マネジメントの創設者であるMark Yusko(マーク・ユスコ)氏は、ビットコインが40万ドルに上る場合のシュミレーションを作成しています。

現在、ギャラクシー・インベストメント・パートナーズを運営しているマクロ・ヘッジファンド・マネジャーのマイク・ノヴォグラッツ氏は、2018年末までにビットコイン価格が4万ドルになるとも予測しています。今年の上昇率からすれば十分可能性はあり得ます。

今年は「仮想通貨元年」などと言われることもありますが、市場参加者は確実に増加しています。来年以降さらに市場が拡大していくことは間違いないでしょう。

参考:YAHOO!FINANCE