富士通株式会社は6月5日、株式会社富士通研究所が開発したブロックチェーンを応用したデータアクセスシステム「富士通VPXテクノロジー」を元に、ブロックチェーンの機能を拡大し、データのやり取りを属性情報と保管場所のIDに紐づけることで、ブロックチェーン上の分散台帳に登録し、そのデータを利用するユーザーを限定し、アクセス権限を設定するソフトウェアを開発したことを発表した。

近年ネットワークの脆弱性を狙ったハッキングなどの被害が相次いでいるが、ブロックチェーンのシステムではデータの送受信などを安全にやり取りできる。

ブロックチェーンはビットコインの元となっているシステムで、これによってビットコインの流通などが管理されている。仕組みとしては、複数のコンピューターにより、ビットコインの取引履歴データなどの分散台帳をシェアし、お互いに認証しあう技術だが、近年では仮想通貨以外の管理やデータのやり取りにも活用・応用されている。暗号化されたデータを分散台帳で管理し、また今回の富士通のソフトウェアはブロックチェーン上でスマートコントラストを独自に実行させることで、従来より強固なセキュリティが得られる。

このソフトウェアは「FUJITSU Network Virtuora」のシリーズとして2017年内に製品化を目指しているという。また、このソフトウェアは、2017年6月7日(水)から6月9日(金)まで千葉市の幕張メッセにて開催される「Interop Tokyo 2017」の富士通のブースにて、実機が展示され、デモンストレーションも行う予定としている。ビットコインや仮想通貨に注目が集まっている昨今、ブロックチェーンのシステムを活用したものも増えてきている。このソフトウェアが製品化されれば多くの企業が利用し、その恩恵を受けることだろう。年内の製品化が待たれる。