「仮想通貨」といえば、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)が今まで2強であったが、ここにきてリップル(XRP)が値を上げ続けている。今年3月ころまでは1リップルあたり0.5円から1円前後を推移していたが、4月に入り一気に高騰し、5月17日には44.9円まで値を付けている。
現在、この1週間では25円から35円ほどでこれまた激しく動きを見せているが、今回の高騰にはさまざまな要因が考えられている。
リップルはビットコインやイーサリアムといった仮想通貨と性質が異なり、もともと、外国為替送金の際につかう決済システムとして作られた。これまでサンタンデールやUBS、ユニクレジットといった大手銀行と実証実験を行っており、2018年には三菱UFJ銀行やバンクオブアメリカが国際送金にリップルのシステムをつかう予定としている。
これによって、ますます投資家たちの目を光らせ、今後も値を上げていくと考えられている。また、この他にリップル社が保有するリップルに対し一定条件のもとロックアップをすると発表があったため、一気に価格を上げてきたと見られている。
このときはとくにネット上でも騒ぎになっていた。リップルは現状ではその大半をリップル社が保有しているため、ロックアップされるとなればリップルに期待している方は当然買いに走るわけだが、あまりに上下するので、「高値で掴んでしまった」と嘆く方もいればその傍らでは喜びを露わにする声も見られた。国際送金のシステムに使われるというのはかなり前向きな材料ではあるが、リップルが妥当とする水準がどのあたりか、判断するのは現状難しいだろう。
GoogleVentures社が出資していることでも話題となったリップルではあるが、異常とも言えるここ数週間の高騰。Googleが出資しているなら安心だとタカをくくるのも危険だ。長期保有覚悟ならまだしも短期的な目線で見ると厳しいかもしれない。今後もまだ値を上げていくと市場は予測しているが、リップルを大量保有している方や、これから購入を検討している方は今後の動きにも注意が必要だ。
仮想通貨バブルと言われ、とくに現在リップルを買い集めて勝負に出ている方もいるようなので、リップルが定める一定条件がどこまでなのか不透明だが、ロックアップ解除後にどう荒れるか見物になりそうだ。