ウクライナ議会は15日、納税申告書に暗号通貨の保有を記載する義務を犯した者へ厳格な対応を求める法案を公開した。議会によれば本法案では不正確な情報を宣言し、州または地方政府の機能を実行する権限を与えられた人の宣言を提出しなかった場合の責任を確立する法律の規定を改善し、それらを効果的に実施することを目的とするとしている。

ウクライナ国立腐敗防止庁(NAPK)は公務員に係る贈収賄などを監視、取締を行う監督当局となっており、暗号通貨に関するマネーロンダリングや贈収賄の防止を求める動きの一貫として、2月に公務員による暗号通貨の保有の宣言手順が定められた。

これによりウクライナの公務員は公的に暗号通貨の保有が認められた形となり、最大で18,000 BTCを保有している個人による宣言があるなど、46,000 BTCを超える大量のビットコインが宣言され、その他の暗号通貨も多数報告されたが、当局の調べにより、これらの宣言に誤りがあったことが明らかとなった。

今回定められた新たな法案では義務を怠り罪を犯した場合、最大で2年の懲役が科せられる可能性があるとしている。

ウクライナでは中央銀行デジタル通貨のプラットフォームとしてStellaを選択するなど暗号通貨利用に関して積極的な部分を見せており、NAPKの規制枠組みなど、暗号通貨を禁止するためではなく運用するためのブロックチェーン技術の枠組みだけで完結しきらない部分において中央集権的な管理が必要な一面が垣間見えた。