核開発問題や人権侵害を受け国連や多数の国家から制裁を受けているイランだが、提携しているシンクタンクから国に対する制裁から回避するために暗号通貨の使用を奨励する研究報告が発表された。報告書の試算によれば政府が暗号通貨から一日約200万ドル、年間で7億ドルを調達できる可能性があるとしている。

また地元イランのメディアは、ビットコインマイニングファームをイランが創設することでより多くの雇用の創出も可能であり、経済全体の雇用機会を増やすことが出来ると述べている。

イランの原油に依存した経済に対する制裁は長きに渡り続いており、1980年代のイラン・イラク戦争時代まで経済レベルが低下すると見られる報告もされている。

イラン通貨リヤルの貨幣価値は下落の一途を辿り経済に大きな打撃を与えているが、一部の専門家の間ではこれまで核開発を理由に経済制裁を受けてきた4カ国中3カ国が制裁に関わらず核兵器開発に成功してきた例をあげ、経済制裁は一般国民に影響を及ぼすのみで核開発への影響は限定的であるという見方もある。

暗号通貨の採掘は外貨獲得の代替手段としてのみでなく、こういった国内の困窮した雇用事情の改善にも役立つと指摘しており、1メガワットの電力消費ごとに約9人が雇用されるとしている。

また、暗号通貨活動はイランから外貨が離れていくのを防ぐのにも役立つ可能性が指摘されており、シンクタンクの報告では結論としてイラン政府にマイニング設備の設営と、可能な場合は発電所の側にマイニングプールを作成して余剰電力の有効活用も要請した。