ロシアの国営電力会社であるRosseti(ロセッティ)がWavesのブロックチェーン技術を用いて電気料金支払いシステムのテストを行うことが、Waveの法人向けブロックチェーン部門であるWaves Enterpriseの発表により明らかとなった。
同社が開発している電力消費の計算を行うためのソリューションが、ロセッティの進めている試験的プロジェクトのプロトタイプとして活用されていると報告した。
このプロジェクトではブロックチェーンシステムを使用して、電力生産者・供給者・消費者の関係性を分析することを目的として開始されており、ブロックチェーンにデータを記録することでデータの統一性、不変性が保証される可能性を確認するとしている。
合計三段階中の第一段階が既に完了している状態で、次のステップではカリーニングラード州、スヴェルドロフスク州の全地域、最終的にはロシア全土の人々がこのシステムを使用し、電力使用量の計測から支払いまでを全自動化することを目標としている。
これが実現すれば家庭に設置されている電力計から直接ブロックチェーンへと電力消費に関するデータを書き込むことができるように設計されている。また、消費者向けにスマホ・タブレットアプリをリリースし、自身がリアルタイムにどれだけの電力を消費しているかを確認することもできる。
月ごとの概算ではわかりづらかった「何をすることでどれだけの節約になるのか」がリアルタイムに反映されることで電気の無駄遣いを止める動きが活発化する期待もある。
日本でも関西電力が直接取引における実証研究を行っており、東大・トヨタなどの企業連合はブロックチェーンを活用した電力の個人間売買システムを検証している。
電力事業者もブロックチェーンとの連携は私たちの生活に大きく貢献すると見ているようだ。