IRS(Internal Revenue Service, 内国歳入庁)の犯罪捜査局長のジョン・フォート氏は、ビットコインATMが世界中で増加の傾向にある状況を考慮して、再び仮想通貨に対する慎重な構えを述べた。

ビットコインATMでは、仮想通貨取引所を使わずにダイレクトに自分のウォレットで仮想通貨の入金及び売却が可能になっており、今年10月には過去1年間で1,900台ほど設置されたと言う報告がある。

世界的なシェアを見ると最も多いのがアメリカで約65%、その次がカナダで11%ほどと、北米に圧倒的に集まっていることがわかる。また、今年10月になってアメリカのフロリダ州にあるBitstop社が、マイアミ国際空港にビットコインATMを設けた。マイアミ国際空港は同国内でも空港の利用者シェア三位であり、施設内の国際利用客の多い箇所に設置している。

しかも今月に入って、アメリカ内で4000台以上のビットコインATMが見られるようになったと言う報告もなされ、ビットコインATMは今まさに破竹の勢いといえる。

ここまで来ると、やはりビットコインATMに対しても黙認できるはずがなくなり、ジョン・フォート氏はIRSとしてもビットコインATMの調査に乗り出していると発表した。ビットコインの税制度やマネーロンダリングやテロ資金、コンプライアンス問題点などについて詳しく調べていくとのことである。さらに「仮想通貨は税金関連としても新たな障害となっており、違法行為が起こりえる。仮想通貨関連の会社は不透明だ」ともコメントを寄せている。

先のマイアミ国際空港だけ見ても、国際利用客が多い分不正利用について警戒している部分もあるのだろう。なお世界中の有識者からアメリカは仮想通貨に対して規制を具体的に作るべきだと言う意見もあり、また対応も遅れていると言う批判もある。

しかし仮想通貨取引所はSEC(Securities and Exchange Commission, 米国証券取引委員会)の登録が義務付けらていたりなど対応が行われていないということはなく、今回の調査はやっと重い腰を上げたかと見るべきかは個々人の思うところによるだろう。

参考:AMB CRYPTO