国際会計事務所のKPMGは、ソフトウェア会社TOMIA、Microsoft、およびR3と提携して、携帯電話などテレコム向けのブロックチェーン決済システムを開発したことが明らかになった。先週、KPMGが公式ホームページで発表した。
「big four(ビッグフォー)」と呼ばれる4大監査法人の1つであるKPMGは、常にクロスボーダーネットワークの複雑さを解決することを念頭に置いており、業界固有のブロックチェーンパイロットを追求してきた。
MicrosoftとR3の2つの分散元帳(DLT)業界リーダーとのパートナーシップは、マルチパーティ接続から発生する問題を解決するためとされている。具体的には、5G接続から発生するハードデータの問題の対処などだ。
同社は「国際的なモバイルデータローミングの収益は、2022年に310億ドルに達すると予測されており、年間平均成長率は8パーセントである」と述べている。また、KPMGのブロックチェーン担当リーダーであるArun Ghosh氏は、国際データ利用の加速化を指摘し、以下のように述べた。
「テレコムの次なる波が迫る中で、これまで以上に迅速かつ多くの場所でより多くのデータを消費できるようになる一方で、テレコム企業は交換手数料を追跡して解決することがますます複雑になっています。」
今回のブロックチェーン開発プロジェクトは、KPMGが設計および実行のリーダーとなる。Microsoftがプリンシパルアーキテクトとなり、R3のCordaがオペレーションのバックボーンとして機能、そしてTOMIAが40を超える世界規模の通信事業者を代表してテレコムのノウハウを提供することになる。
KPMGは今年2月にはエンタープライズブロックチェーンを手掛けるガードタイム(Guardtime)と提携したり、6月には医薬品サプライチェーン向けブロックチェーン構築へ向けてIBMやウォルマート、メルクといった大手と連携するなど、今年はブロックチェーンの開発や技術の役割の発展に力を入れている。
世界の大手企業がブロックチェーンの進化と普及に力を入れていく中、世界153ヵ国に展開する大手国際会計事務所KPMGはどのような形で新しい技術を展開していくのか。今回発表されたプロジェクトをはじめ、その他の様々なプロジェクトの動向から目が離せない。
参考:KPMG