仮想通貨EOS(イオス)がハッキング被害を受けたアカウントから209万EOS、日本円にして約8億5,300万円相当が流出したことがわかった。

流出した原因としてブロックの生成・承認を行うブロックプロデューサーがブラックリストのアップデートに失敗したことによるとブロックプロデューサーの1人であるEOS42がテレグラムの投稿にて明らかにしている。

EOSブロックチェーンではハッキングなどにより侵害されたアカウントをブラックリストに登録することをブロックプロデューサーに要求する機能があり、このブラックリストの機能させるには、トップ21のブロックプロデューサーすべてが登録要求を従う必要があるが、新しいブロックプロデューサーのgame.eosは更新しなかった。

EOS42はその後、ブロックプロデューサーに拒否権を与えるのではなく、ブラックリストに登録されたアカウントキーを無効にすることを提案している。

キーの無効化は壊れたブラックリストよりも効果的であり、ブラックリストにアカウントを保存しつつも、資産を正当に所有者に戻せるという。

EOSは現在、コインマーケットキャップにて時価総額で4位を位置しており、去年6月にてメインネットを立ち上げている。

最近では分散型アプリケーションDAppsを動作させる環境として注目されており、イーサリアムと競合するとの見方もされている。

DAppsの情報を確認できるサイト、DappRadarによればTRONがトップ10の6割を占めており、EOSは4割を占めている。DApps市場を巡っては今後TRON、ETH、さらにADAとの競争が本格的になることも考えられる。

DAppsに将来性があると見方がありつつも今回のハッキング被害は承認する側のブロックプロデューサーが原因になっているため、人為的なミスが起こりうるシステムに対し若干懸念が出たことにもなる。

EOSは性能面では高い評価を得ていたが、今回の件での影響は限定的であるかどうか、時間が経つに連れて信頼回復へと進むことが願われる。

参考:Telegram