ICO(イニシャル・コイン・オファリング)による資金調達が世界的に注目されているが、その反面、投資詐欺による被害も増えており、世界各地の関係省庁が仮想通貨を巡って規制の強化を進めている。

そんな中、日本の金融庁がICOによる資金調達を明確にするため2019年の通常国会にて金融商品取引法、資金決済法の改正案を提出することを目指していることが分かった。時事ドットコムにより伝えられている。

日本は世界的にも仮想通貨関連サービスには前向きに捉えている国として知られているが、仮想通貨取引業者のハッキング被害やコンプライアンスが問題になっていることから金融庁は新規での取引業者に対しては慎重な姿勢を取っている。

しかし仮想通貨を締め出すことはせずに有識者を招き、何度も検討をすることで徐々に取引ルールや規制が明確になってきているため、先日、仮想通貨取引に否定的なインドの仮想通貨取引における関係省庁の職員が参考に訪れるという事もあった。

新しく適用されるICO規制には金融商品取引法と資金決済法の2つの法律が適用されるとしている。

さらにトークンを3つに分類して明確化しており、保有量に応じて配当や利子が付与されるものを金融商品取引法を適用、物品・サービス購入の支払い手段や割引優待、事業に参加する権利などを有するものは資金決済法を適用するという。

金融商品取引法は専門的な知識を持っている投資家を保護する目的を持っており、幅広い金融商品の販売方法や勧誘をルール化することで市場に透明性を与える法律となっている。

仮想通貨が流行する前に一時期注目された金融商品である融資型クラウドファンディングであるソーシャルレンディングも詐欺が横行していたこともあったが、同法律により問題が沈静化へと進んでいった経歴がある。

今後仮想通貨も落ち着きを取り戻し、金融商品として国民に浸透し始めていく事だろう。

参考:時事ドットコム