シリコンバレーに倣いクリプトバレーと称されるツークを筆頭に、仮想通貨に先進的なスイスにおいて、同国最大の銀行であるUBSの元役員が率いるSEBAが、仮想通貨サービスを提供する銀行を設立するために、1億スイスフラン、日本円にして約117億円を調達したことが分かった。Reutersによって伝えられている。

SEBAは現在、スイスの金融規制機関であるFINMAに銀行業と証券の取り扱いライセンスの取得申請をしており、ライセンスの取得が認められれば、他の銀行や適格機関投資家向けに仮想通貨トレードや投資サービスを提供できるという。

日本も仮想通貨に対して前向きに捉えている国である事から今後、金融庁が金融機関や証券会社に対し規制緩和の一環として参考になるかもしれない。

SEBAのGuido Buehler氏は今回の発表の中で以下のように述べた。

「SEBAは、伝統的な銀行業と新しい仮想通貨の世界との橋渡しの役目を担いたいと考えています。」

「安全性、透明性、パフォーマンスを中核とする価値観として、伝統的な金融と仮想通貨の経済統合における市場リーダーになることが我々の目標です。」

仮想通貨取引は既存の金融取引にどのように関わっていくかが課題となっていることもあり、あくまで調和することが大事な状況と言えるだろう。

出資者は、スイスに本拠を置くBlackRiver Asset Managementと香港に拠点を置くSummer Capitalが含まれている。約117億円の資金調達ができたことから、当然ながら将来的に期待されていることは確かだ。

SEBAは来年には保険大手であるチューリッヒを始め、デジタルサービスだけでなく、主要な金融拠点に支店を開設することを目指している。今後の展開が注目される。

参考:Reuters