ブロックチェーン技術が世界中で注目されている昨今、中国が政府として積極的に関連する企業に対しサポートする形を取ることが話題となったが、今度はお隣の韓国においても政府が同様にサポートしていくことが明らかとなった。
韓国の科学技術情報通信部(MSICT)が、国内でのブロックチェーン産業の成長をさらに促すためにこの分野を支援していくと決めた。MSICTの罠元基次官は、ブロックチェーン分野の企業と関係構築を築くため、まずはブロックチェーンのスタートアップ会合を開いた。
議題は政府がまず42億ウォン(約4億2,400万円)を投じて開始する事を前提に、ブロックチェーン市場を活性化することについて話し合われた。
既に韓国はマイナンバー制度において市民が行政サービスを受けやすい体制を整えているが、個人情報の流出などの問題も社会問題となっていることから、今回の会合では政府の試みとして、まずはどのような問題点、適用分野があるのかを見定めるという。
参加者からは、今ブロックチェーンを用いて積極的に開発が進んでいるサプライチェーン分野や既に海外で実証実験により確証が得られた不動産取引についても議論がなされた。
これからブロックチェーン開発を進めて行こうと考えているスタートアップ企業にとっては、議論されることで、韓国国内において今後どの分野で必要となっていくのか、さらに今後競争が激しくなると思われる海外の開発企業との技術競争についても把握する事ができる。
韓国以外にアジア地域においても、ブロックチェーン技術を政府が支援していくと決定していく中、日本は少し出遅れ気味とも言える。経済産業省が前向きにブロックチェーン技術を取りいれるどころか、今は仮想通貨取引に係る規制の枠組みづくりに集中している状態になっている。
先日、仮想通貨交換業者Zaif(ザイフ)でのハッキング事件もあったことから、ブロックチェーンに対しては後手後手になってしまうことも考えられる。