PBoC(中国人民銀行)が出資する貿易金融ブロックチェーン・プラットフォームが正式に深圳市で試験運用を開始したと12日、地元メディアの21经济网が伝えた。

粤港澳大港区貿易・金融ブロックチェーンは、広東、香港、マカオ・ベイエリアのクロスボーダー取引のためのブロックチェーン・エコシステムとなることを目標としており、プラットフォームの構築は中国人民銀行のデジタル通貨研究所と中国人民銀行の深圳支店が共同で推進してきたと報じている。

試験運用が大きな結果をもたらすのであれば、今後中国の主要都市に普及していくことも考えられ、中国はブロックチェーン先進国に進むことも考えられる。

21经济网は、平安銀行のトランザクション・バンキング部の副部長である許紅輝氏の発言を引用し、これまで中小企業の貿易金融コストが7~8%だったが、ブロックチェーンシステムを導入することで、コストを6%未満に抑えることが可能になったと言及している。

許紅輝氏はさらに、信用、ビジネス、第三者評価、司法部門のデータなど、プラットフォームに追加されるデータが増えれば、ブロックチェーンの安全性が高まると付け加えている。

実際、ブロックチェーンの使い道として金融の分野だけでなく、不動産や保険、物流やヘルスケア分野にもブロックチェーン技術を用いようとする流れは、世界中に起こっており、同氏の発言は現実的とも言えるだろう。

それを実現する今回の試験運用は実用化に向け、現実離れをしていないとも言えるだろう。

まず試験運用の第一段階は、データ不足により金融機関からの融資を受けるために必要な信用力が劣る中小企業のサプライチェーンファイナンスを提供することとしている。

新しいプラットフォームでは、ブロックチェーンの透明性と耐改ざん性を活かして、あらゆる財務活動の動的なリアルタイム監視を実現する貿易金融の規制システムを促進することも視野に入れており、今後、新たなビジネスにも発展にする可能性を秘めている。

参考:21经济网