IBMが、ノードベースの取引データ識別装置開発のためのブロックチェーンの特許を申請した事を米国特許商標庁(USPTO)が16日に明らかにした。
特許に詳述されているシステムは、ブロックチェーンにおけるノードキャラクタライゼーションと呼ばれ、様々なタイプの取引を識別するためにブロックチェーンネットワーク上のノードからデータの抽出する方法を導入することを意図している。
具体的に言えば、どのようなブロックチェーン上のデータ処理にも、取引の特徴についての有用情報をもつノードが単数もしくは複数ある可能性があるという。
公表された文書によれば、そこに説明された仕様の装置で、主体の抽出、テキストマイニング、情報分析および発見、コンプライアンス、意味抽出、そしてオントロジベースの主体発見など、一定範囲のタイプのキャラクタライゼーションの抽出が可能だという。申請内容によれば、このような方法でのデータ抽出により、規制機関がブロックチェーン上のデータ保全を相応なレベルで監視する事で可能になるとしている。
例えば、このシステムで、暗号取引をプロセス中に、ブロックチェーン上でノードが怪しい行動、つまり1日当たりの振替限度超過や履歴照会された主体の関与などをしているかどうかを検出することによりAML(マネーロンダリング対策)をとる方法を提案している。
説明されているシステムは、ゲートアレイ、アレイ論理、あるいは画像処理デバイス、さらにはハードウェア回路などのプログラム可能なハードウェアデバイスの機能をもたせたモジュールを配置する事で実現できるとしている。
マネーロンダリング対策は取引所だけに限らず、国の関係省庁も対策を練っており、今回のIBMの特許が認められれば、仮想通貨関連の事業が投資家から信頼を得るために採用していく事も考えられる。
また、匿名通貨については追跡が不可能である点がマネーロンダリングに使われることを懸念してデメリットとして取り扱われているため、匿名通貨自体の信頼回復に向けて同技術を採用していく可能性もある。
今回の特許申請だけではマネーロンダリングの根をすべて取り除くことは難しい面があるが、今後、取引する者全員に個人の身分登録を義務化することによって、身分を明らかにしていく環境作りも必要と言えるだろう。
参考:USPTO