タイ証券会社協会(ASCO)が合同で仮想通貨取引所の開設を計画していることが分かった。内容は、複数社が仮想通貨取引所のライセンス取得を一緒に申請し、コスト削減と技術の共有を目的としている。2日、Bangkok Postによって伝えられている。
ASCOのバテラ会長によれば、複数のタイの証券会社が合同の仮想通貨取引所を運営するために、タイ証券取引委員会(SEC)に対し免許を申請すると話している。
証券事業免許があれば、デジタル資産ブローカーやディーラー業、デジタルトークンウォレットの運営が可能となり、さらに会社と投資家の資産の分別管理が求められる。これにより顧客保護の強化が見込めるだろう。
バテラ氏は、証券会社は長期に渡り取引事業をしているために、投資家からは仮想通貨の取引に関しても、証券会社との取引に関心を示すだろうと見方を示し、証券会社の安全なシステムを強調している。
証券会社1社が仮想通貨取引所を立ち上げて対応するには専門の要員なども必要であり、コストがかさむことや仮想通貨取引に対して、まだ把握できていない場面に対しリスクが生じるといった懸念も考えられる。
これに対し、複数の証券会社が合同で立ち上げることで、情報やシステムの共有が実現され、トラブルなど混乱の回避や、一定の信頼感を確保できることにもなる。
タイでは国王令により、仮想通貨は“デジタル資産”もしくは“デジタルトークン”として規定された。
タイ国内の取引所やディーラー、ICOトークンの発行体などは、同日より90日以内にSECに登録することが求められており、また、財務省からはデジタル資産事業運営の承認を得る必要がある。
デジタル資産の取引については、キャピタルゲインに対し15%の源泉徴収税が課される。
SECの副事務総長によれば、タイではデジタル資産に関する基本法の策定が最終局面に入っており、海外企業がICOポータルや取引所を運営する際には、免許の取得のためにタイ国内に拠点を構えるが、地元のパートナーと組む必要があり、仮想通貨取引所が新たに進出する際には慎重な姿勢をとっていることがわかる。
今回、複数の証券会社が合同で取引所を開設することによって、仮想通貨に対して前向きに関係者は見るようになることだろう。
参考:Bangkok Post