ドイツ連邦議会の金融安定委員会が仮想通貨はドイツの金融の安定を脅かさないとする報告書を発表した。
調査報告書によれば、仮想通貨市場の高いボラティリティが指摘され、仮想通貨はあまり一般に受け入れられておらず、取引コストが比較的に高くなることも多いと書かれている。
詳しい内容については、この分野はまだ小さいうえに、銀行、保険会社、ファンドもほとんど関与していないために、価格変動性の高さと時価総額の急上昇が存在するといえども、仮想通貨が経済の安定に引き起こすであろう影響はある程度までに限定されると、仮想通貨は分離した考えを持っている。
報告書では仮想通貨は主に投機対象であると書かれており、同委員会は仮想通貨を通貨と呼ぶ代わりに暗号トークンと定義しており、委員会の見解では暗号トークンが通貨の3つの機能を果たさないためだとしている。
また、「仮想通貨は日々の支払い手段、価値の保存手段、価値の尺度として役目を果たしていない」と、貨幣としての役割は不十分だと捉えている。
同委員会が仮想通貨を金融の安定に対する脅威と見なさない一方、ドイツ当局はこの領域でのさらなる単会を監視する傾向で、無関心にしておくわけでなく、むしろ仮想通貨の成長率が高いために監視する体制を持つとしている。
具体的には、ビットコイン先物取引のような派生商品が、認可を受けた証券取引所で取引されることによって、その分野での地位を確立した場合に、従来の金融システムとの関係性が今後もっと密接になるかもしれないとしており、その結果、当委員会は監視をしていくが、現在のところ、マクロ・プルーデンスの観点から見て介入すべき理由は何もないと考えているとコメントしている。
最近の報告書では、仮想通貨資産の出来高が少なすぎるために、仮想通貨は国際金融システムにおいて重要な役割を果たしていないとの指摘を踏襲している事から、今後も周囲の状況を把握しながら監視・検証が継続されることにもなるだろう。