暗号通貨は有価証券であるかそうでないかという問題は常に人々の頭を悩ませています。有価証券性も兼ね備えていると見做す識者もいますが、当然有価証券となってしまえばホルダーは保護される反面、厳しい規制によりブレーキが掛かることも予想され、誰もが歓迎するというわけにはいきません。
そこに一石を投じたのがタイでした。
日本だけでなく、世界中の規制当局が取り組むデジタル資産のカテゴライズという議論を通り越し、暗号通貨とデジタルトークンを定義する「デジタル資産業法(Digital Asset Business Decree)」を成立、税法も改正し、新たな産業から税収を得ることもできるようにしました。
タイの証券取引員会(SEC)でフィンテック部門のディレクターを務めるArchari Suppiroj氏曰く、委員会は暗号通貨を邪悪と捉える人とギャンブルに使う人とのバランスを取ろうとしていると述べています。規制が厳しすぎれば資産は海外へと流失しますが、規制により合法性、正当性を与えることで普及をもたらすことでしょう。
今回のタイの新しい法律で最も興味深い点は、全てのICO(イニシャル・コイン・オファリング)や取引をBitcoin、Ethereum、Bitcoin Cash、Ethereum Classic、Litecoin、XRP、Stellarといった7つの指定された暗号通貨とペアにする必要があることでしょう。
暗号通貨の交易におけるハブを目指す幾多の国家から一歩抜きん出るほどの変革とは言えないかもしれませんが、新たな提案でリーダーシップを発揮していく国にこそチャンスがあるのかもしれません。
日本では、改正資金決済法が適用されている暗号通貨ですが、3日の産経ニュースでは金融庁が金融商品取引法への移行を検討していると報道されました。これが事実であれば、交換業者の管理体制や、投資家保護の強化など含め市場の健全化に繋がっていくことでしょう。
参考:Mybroadband