仮想通貨市場で3番目の時価総額を持つXRP。最近の大きな価格変動(特に昨年から今年にかけての数ヶ月)は、さまざまな要因によって大きく左右されているという見解がされているが、その一つにCoinbase(米国最大のBitcoin取引所)がXRPの取り扱いを開始するという噂が挙げられる。
Coinbaseからの発表はないが、XRPを活用したシステムの開発を進めているRipple(リップル)社のCEOである、Brad Garlinghouse氏がXRPの取り扱いに関するコメントを公表した。Fortuneにより伝えられている。
サンフランシスコに本拠を置くCoinbaseは、現在Bitcoin(BTC)、Ethereum(ETH)、BitcoinCash(BCH)、Litecoin(LTC)の取扱いをしており、最近の発表ではEthereumClassic(ETC)をすぐに追加する予定としている。
リップル社はブロックチェーン技術を活用したシステムを世界中の金融機関に販売しており、その中にはXRPを使用して国際送金のコストを削減する製品も含まれる。こういった製品が銀行によって多く使われればXRPの価値が高まる可能性は十分にある。
このような背景からXRPは投資家から多くの支持を集めている。取引所としても顧客の関心の高まりは無視できないのではないだろうか。
Garlinghouse氏は、CB InsightsのFuture of Fintechニューヨーク会議でのFortuneのJeff John Roberts氏とのインタビューで、以下のように述べた。
「(CoinbaseがXRPを取り扱うのではないかとの期待感により買いが強まったという見解から)XRPの価格が昨年12月には約50セントだったが、1月にはほぼ4ドルになりました。XRPが確実に“有価証券ではない”という判定がまだなされていないとの懸念があり、Coinbaseや他のアメリカの仮想通貨取引所がXRPを扱うことを躊躇しているのはこのためかもしれない。」
最近の米証券取引委員会(SEC)の発表によると、Ethereumは分散構造のために証券の定義に合致しないと判断した。
SECの幹部であるウィリアム・ヒンマン氏は、XRPについて明確に言及はしていないが、分散的でないシステムに依存しているものは、「証券法の適用」の対象となると述べた。
しかし、Garlinghouseは、XRPがSECの管轄下にあるかもしれないという考えを否定した。
「私は、XRPが証券ではないことは明らかだと考えております。XRPのブロックチェーンはリップルとは独立して存在しています。」
と説明し、仮にリップル社の取り組みが失敗したとしてもXRPは機能し続けるだろうと述べた。
「XRPは、株式のような伝統的な証券にはない、技術的な用途(金融取引を円滑にすること)に役立ちます。XRPはまた、会社自身の持分を所有者に付与することもありません。(何らかの権利や配当など。)私たちは多くのXRPを所有しているが私たちはXRPを支配しているとは思わない。」
「サウジアラビアは多くの石油を所有しているが、石油を支配し、管理することはできないのと同じようなものだ。」
ガーリングハウス氏はCircle、itBit、SquareのCashアプリ、Robinhoodなどの主要なアメリカの暗号通貨交換プラットフォームの1つにXRPが取引される時期を予測することは控えた。
取引所はプラットフォームにXRPを追加するかどうかを決定する前に、規制当局によりXRPが有価証券か否かの認定を明確にするのを待っているようだ。
既に2015年にはFinCENにより、XRPは「Cryptocurrency(暗号通貨)」だと定義付けられているが、SECはどのように分類するだろうか?今後の動向から目が離せない。
参考:Fortune