Linux Foundationは28日、同社が推進するHyperledger ProjectにRipple(リップル)社が新たに加わったことを発表しました。
Hyperledgerに参加することになったのは、リップルを入れて14社。これまでのメンバー全体で25ヶ国以上、231の団体が参加しているコミュニティとなりました。
今回の発表の中で、リップル社のCTO(最高技術責任者)である、Stefan Thomas氏は以下のように述べています。
「Hyperledgerとのパートナーシップにより、開発者はエンタープライズ向けのJavaでILP(インターレジャー・プロトコル)にアクセスすることが可能となります。」
「Hyperledger Quiltプロジェクトは、Hyperledgerブロックチェーンと、XRP Ledger、Ethereum、Bitcoin(Lightning)、Litecoin、Mojaloop、RippleNetなどの他のILP対応の支払いシステムと接続し、今日の情報のようにインターネットで価値の移動を実現します。」
以前までILPはJavaScriptでのみ動作可能でしたが、昨年、NTTデータと協力し、Javaプログラミング言語でプロトコルを修正しました。その後、改良されたJavaベースの「Hyperledger Quilt」プロトコルをNTTデータとリップル社共同でHyperledgerに提出しました。
これが認められれば、リップル社やNTTデータのみならず、ブロックチェーン産業全体の発展に大きく貢献できるということでも昨年9月に話題となっており、それが今回、リップル社が正式にHyperledgerに参加することでより期待が高まっています。また、NTTデータはHyperledgerの初期からのメンバーです。
Hyperledgerのエグゼクティブディレクターである、Brian Behlendorf氏は次のように述べ、新たなメンバーを歓迎しています。
「業界や地域間でHyperledgerの成長と普及が加速していることは、コミュニティと、それが構築しているテクノロジーの強みを裏付けています。これは、ブロックチェーンがビジネスに与える影響を世界的に目覚めさせたことも反映しているでしょう。毎日、我々のフレームワークのための新しいアイデアと新しいアプリケーションを持つ企業からの意見を聞きます。ますますビジネスクリティカルな展開のために、エネルギーとイノベーションをビルディングブロックに変えるためには、多様なメンバーシップが不可欠です。」
今回、参加を発表した企業・団体は、「Beijing Truth Technology」、「Blockchain Technology Partners」、「CULedger」、「Greenstream Technology」、「KompiTech」、「MATRIX Foundation」、「REMME」、「Ripple」、「Shenzhen Rongxun Technology」、「Spin Systems」、「Versia」、「Xiilab」、そして「Cambridge Centre For Alternative Finance」、「Kerala Blockchain Academy」の14社です。
Hyperledgerと言えば、Hyperledger FabricやHyperledger Sawtoothなどが広く知られています。また、金融やIoT、製造など幅広い分野で開発されており、送金の分野では現在SWIFTが実証実験を行っています。今後、価値の移動の分野ではHyperledger Quiltにより、様々なブロックチェーン/DLTを統合していくと考えられます。