世界各国では、仮想通貨のより厳しい規制や禁止などの話題が続いていました。しかしながら最近では、IMF(国際通貨基金)のクリスティーヌ・ラガルド氏など金融関係機関のトップらが、口をそろえて仮想通貨に対して前向きな規制を発言している事もあることから、業界内では落ち着きを取り戻している状況になってきています。
そんな中、追い風となる出来事として米ワイオミング州において、仮想通貨に対し前向きに捉えられている法案が挙がりました。それは仮想通貨の税制優遇制度が提案された事です。
この税制法案はワイオミング上院法案111と呼ばれ、多くの共和党上院議員から支持を集め、注目を浴びています。
もしこの法案が可決となれば、個人や企業が保有する仮想通貨を資産として会計処理した場合の税金は免除されます。日本において仮想通貨における確定申告で計算方法で悩まれる方々が多い中、日本でも議論してほしい法案とも言えるでしょう。
ワイオミング州は税金を免除する事で、仮想通貨に投資する個人や関連企業を誘致したいことも考えており、労働者に対する所得税が免除する点においても、同州が多くの人々を引きつけたい狙いがあることが分かります。
また、ワイオミング州においてこの法案が可決されれば、仮想通貨関連企業が同州に拠点を移動させる可能性もあり、労働者においても雇用が創出されると考えられます。ワイオミング州では全米において大規模な石炭生産が盛んなことから、電気代が5番目に安い州で、年間を通じて涼しい土地でもあるため、マイニングにおいても魅力的な土地とも言われています。そのためマイニング事業者にとってもメリットが大きいでしょう。
これと比較して、米アリゾナ州においてはビットコインでの納税を可能にする法案が議論されていることもあり、地域によって今後差別化にもなってくると思われます。
ビットコイン規制をどのようにしていくか、それぞれの国や自治体において課題ですが、今回のワイオミング州の例にならい、地方創生に仮想通貨に対する税優遇を利用して活性化していきたい自治体は出てくるでしょう。
地方にとって仮想通貨による収入は財政難で悩んでいる救世主になる可能性もあります。ワイオミング州が今後どのような新しい法案を出し、また、どのような結果となるのか進捗が見届けられます。