CFTC(米商品先物取引委員会)の理事である、Jクリストファー・ジャンカルロ氏、そしてSEC(米証券取引委員会)の委員長である、ジェイ・クレイトン氏が、アメリカ全体で規制を統一することに対し協力的であるということが、6日に米国国会議事堂で行われる議会証言の原稿により明らかになりました。

これまでCFTCとSECの両機関は、詐欺や、ビットコイン先物開始の監督、投資家へのリスクの警告、急速に進化する環境への言及を訴えてきました。

現在、アメリカには仮想通貨を単体で監視する連邦当局は存在せず、州ごとに定められた難しい規制があるという状況です。議会でもおそらく現行体制の限界について議論すると見られます。

州ごとに規制が異なる複雑なアメリカの環境を考慮すれば、国レベルの規制実施を検討するという動きは、ごく自然なことだと言えるでしょう。しかし、このような取り組みは議会による動きだけでなく、その他の関連機関と密接に関与する必要がありますし、複雑な諸問題を解決していく総合的な仕組みを作るのはそう簡単ではありません。

クレイトン氏は新しい規制の取り組みにおいて、米国の議員と協力することに対しては快く受け入れる姿勢であることが明らかになりました。クレイトン氏は以下のような考えを原稿の中で示しています。

「ジャンカルロ氏と私が述べているように、規制の強化の有無に関わらず、私達は議会、そして連邦、および州の政府と協力することに賛成です。明快さと公平性をもたらす規制と政策を支持いたします。」

ジャンカルロ氏も同様に、国全体で統一された規制を敷くことに対して協力的であることが伝えられております。

「今の規制では投資家を適切に保護することができておりませんが、国レベルで合理化された連邦の規制なら、誠実な市場を保証する上でより効果的かつ効率的である可能性があります。」

州ごとに規制が設けられているというのは自由の国アメリカらしいのですが、どの当局が現物市場の監視を担うべきかについては明確になっておらず、これが送金取引ビジネスの障害になったり投資家保護が脅かされているため、法規制での標準化を急いでいると見られます。

アメリカの規制統一標準化はかねてから課題となっておりましたが、仮想通貨デリバティブ(金融派生商品)を管轄下に置いているCFTCや、投資家保護と公正な市場整備を確保するSECが協力的な姿勢を示しているのであれば、いよいよそれも現実的になりそうです。

参考:CoinDesk