SEC(米証券取引委員会)が29日、ICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨の新規発行による資金調達)を騙り投資家を欺いたとし、米証券法および登録規定に違反した疑いがあるとして、2社とその事業者を告発したことが分かった。

今回告発されたのはDiamond Reserve Club World(DRC World)とREcoin Group Foundation(REcoin)の2社で、各社ともMaksim Zaslavskiy氏が運営しており、2社とZaslavskiy氏に対して差止命令、解散、返金などの罰則を求めているとのこと。

SECによると、Zaslavskiy氏が行ったICOはダイヤモンドや不動産に価値が裏付けされた仮想通貨と騙り販売していたが、実際にその価値と同等のダイヤモンドや不動産は存在していなく、また、未登録の有価証券を販売したとしている。

また、Zaslavskiy氏は投資家を欺くためにREcoinは「不動産に裏付けられた最初の仮想通貨」として、ICOを行った疑いもあり、大きなリターンを得られると説明していたという。

ICOを巡っては、以前からSECは警告と注意喚起をしていたが、個人投資家では下調べをしっかりと行わないとリスクが高い。こういった例は米国だけではなく世界各国で見られ、日本国内においても例外ではない。出資額に対して異常にハイリターンが得られると称したり、「必ず儲かる」といった文言で出資者を募っている場合には特にご注意して頂きたい。

本件のようなプロジェクト自体中身のないICOは多く、法律の網をかいくぐった所謂グレーゾーンの手法での詐欺的なプロジェクトも存在する。今後もこのようなケースは出てくると思われるので、ICOに参加する場合は慎重な判断が求められる。

参考:SEC