ロシアではプーチン大統領が積極的なこともあり、政府が先導してビットコインなど仮想通貨のマイニング(採掘)に前向きな姿勢を見せている印象があるが、個人の住宅などでのマイニングを禁止する可能性が出てきているという。RIA通信社により伝えられている。

マイニングをするには、高い処理性能を持ったコンピューターと、膨大な電力が必要だ。また、コンピューターへの負荷が高いため、高熱を発することからも室温が高くなってしまうことや、電力消費の増加を懸念しているとのことだ。

熱を放出させるためにも空調など排熱設備が必要になるが、住宅スペースなどではこれを確保できず、火災につながる恐れもあるという。

専門家の意見では、モスクワのような都市部ではなく、イルクーツク地区などの郊外で電気代も安価で土地も確保しやすい場所が好ましく、また、放熱処理などもより寒冷な地方が望ましいという。

ロシアにおける仮想通貨法案の提案者のうちの一人であるAndreya Lugovogo氏によると、法的な枠組みにシステム全体を含めていく必要があり、承認するか禁止するかの何れかを検討する必要があるとしている。最終的な文書を2018年中に下院に提出する可能性もあるという。

電気代の高い日本国内では住宅でマイニングを行い、収益を上げるというのは難しいと考えられるが、電力を余らせていたり、趣味の範囲でなら成り立つかもしれない。

マイニングを事業として行うのであれば、電気代の安い国で行うというのが効率的と考えられるため、日本人のマイナー(マイニングを行う人)は海外で行っているという例も少なくない。

今回のロシアの件は住宅では火災など危険であり、電力消費も多いということなので、国として全面的に禁止するということではないと思われるが、政府主導で仮想通貨への取り組みが進められているロシアだけに、将来的には登録制や民間企業は禁止などといった規制を懸念する声も散見される。

市場にとっていい方向へ進めばいいが、今後の展望が注目されている。また、住宅でマイニングする際には火事などを起こさないよう、ご注意いただきたい。

参考:RIA通信社