世界最大級のクラウドマイニング事業を手掛けるGenesis Mining(ジェネシスマイニング)は、地元スウェーデンのチームとマイニングにより発生する過剰な熱量を温室効果へと利用する研究を発足したことを明らかにした。チームにはSystemair、ルレオ工科大学、スウェーデン研究所、ボーデン自治体が含まれる。
ビットコインのコンセンサス・アルゴリズムであるプルーフ・オブ・ワーク(PoW)でのマイニングには非常に多くの電力消費が要求され、その膨大な消費電力が問題視されることも少なくない。
電力消費の低減を目的として、コンセンサス・アルゴリズムをPoWから計算量の少なくて済むプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へと切り替えていこうという動きがいくつかの仮想通貨で進んでいるが、互換性維持や開発リソースなどの関連も有り移行は簡単ではなく、Ethereumでも数年越しでのプロジェクトとなっている。
そんな消費電力問題への異なるアプローチとなるソリューションが今回のプロジェクトと言える。
絶え間なく演算を続けるマイニングセンターのCPUから発せられる総合的な熱量は非常に大きく、その熱を直接有効活用することができれば、電力消費問題は解決しないまでも、消費エネルギーのロスは避けられる。
また、本来温室に使用する予定だった電力を置き換えることでトータルでの電力使用量は削減できるためグローバルな視点では大きな取り組みとなる。
こういった考えは革新的に目新しいものではなく、かつてフランスのQarnotは家庭向けマイニングマシン兼ホームヒーターとなる製品をリリースしたこともある。
本来廃熱として処理されるマイニングにより発生する熱を食料品生産へと転換することができれば一石二鳥の成果になるといえる。