アメリカの民主党議員3名が3日、民間によるステーブルコインの発行において銀行と連邦準備制度の承認を強制する法案を提出したことが明らかとされた。

提案された法律によれば、ステーブルコインの発行者は連邦預金保険公社(FDIC)の保険に入るか、発行したステーブルコインを元の米ドルに戻すことを保証するよう連邦準備制度で準備金を維持する必要があるとしている。

ステーブルコインの発行に制限を課すこととなる本法案は仮想通貨支持者から反発を受けるが、法案の提案者の一人であるRashida Tlaib議員は「FacebookのLibraや現在市場で提供されている他のステーブルコインなどの新しい決済手段によってもたらされるリスクから消費者を保護する」と語っている。

一方で仮想通貨支持者の中にも、実際に発行されたステーブルコインに見合うだけの米ドルが準備されていないとすると、民間によって価値を独自に創造することが可能となり、自由な貨幣発行に準ずる行為はハイパーインフレーションに繋がりかねず、ステーブルコインの信用を担保するためにも準備金の透明性は必要だと指摘する者もいる。

過去にはステーブルコインの先駆けとして知られる米ドルペッグのTetherも米商品先物取引委員会により召喚状を送付されるなど、ステーブルコインが実際に安定的なコインであるかを疑問視する声が上がっており、さらなる議論が要求されるだろう。