欧州中央銀行(ECB)は5日、グローバルステーブルコインに関する規制と財務の安定性の展望を発表した。グローバルステーブルコインは国境を越えた支払いに対しても高速で、安価に需要を満たすことが出来るとメリットを認めた上で、課題とリスクがあることを示した。
まず財務上の処理から、グローバルステーブルコインを現在の金融規制において分類するときに規制上のギャップのため上手く運用できない可能性があると主張。また、Facebook主導により開発されているLibraを例に出し、それらが流通した際の潜在的な価値の総量を推定し、もしも誤動作を起こした場合のリスクの規模を推し量ると金融の安定性に大きな影響を与えると結論づけた。
グローバルステーブルコインのメリットを享受するためにはこういったリスクを回避するための強力な枠組みが必要であるとしている。現段階では主導する開発者により仕様がまちまちであり、安全性を監査するための指標も定まらずどこにリスクがあるのかも不透明な状況では認可を出すための判断基準も乏しい。
昨年ブロックチェーン開発へ大きく舵を切った中国は強権を持つ政府の主導によりいち早くデジタル人民元のテストへ移行している。他の多くの国もキャッシュレス需要の高まりは実感しており研究は進められているものの中国が大きくリードしている状況だ。
通貨バスケット方式を採用し、世界中で決済に使用できる「グローバルステーブルコイン」という展望を打ち出した仮想通貨Libraだが、米国議会からも個人情報の取扱やセキュリティに懸念を示され実運用段階までは未だ遠い。
参考:ECB