イスラエルのアビチャイ・マンデルブリット検事総長は、仮想通貨関連会社へのサービス提供を拒否するべきではないとコメントを発した。

騒動の背景には現在イスラエルでは、多くの銀行が仮想通貨を受け取った顧客の口座を凍結するといった事態がある。口座が凍結されたことで多くのビットコイン投資家が税金を支払えない状態に陥っており、昨年8月にはハポアリム銀行を相手に訴訟を起こした。

また、マンデルブリット検事総長はマーカンタイル・ディスカウント銀行がイスラエル発の仮想通貨取引所Bit2Cからの送金を拒否したことを巡り、テレアビブ裁判所に対してマネーロンダリングなどのリスクが懸念されるケースにおいてのみ個別に精査すべきとも述べた。

仮想通貨における詐欺や不確かな取引が蔓延した時期であれば中国のような断固拒否といった姿勢も取れたかもしれないが、現在では仮想通貨市場も安定性を得てきており、通貨危機における避難先としても支持を集めるなど、すべての取引を認めないようにすることは好ましくないという考えから声明をだしたと思われる。

仮想通貨に寛容性を見せるイスラエルだが、政府の方針としてもブロックチェーン技術に目を向けているようだ。先月にはイスラエルの証券当局が、国内でブロックチェーンベンチャー企業の発展を妨げている規制を特定するため一般から意見を受け付けている。全撤廃というわけにはいかないものの、ブロックチェーン発展のためなら規制緩和をいとわない姿勢を示した。

今回の検事総長の発言は仮想通貨に対してもオープンにしていきたい思惑があるとみられる。

参考:globes.co.il