スイスのほぼすべての金融活動を監督するスイス金融市場監督局(FINMA)は26日、2つのブロックチェーン企業にブローカーディーラーライセンスを発行したこと、そしてブロックチェーンベースの企業がマネーロンダリング防止(AML)を遵守する方法についての新しいガイダンスを発行したことを発表した。
このガイダンスは、取引所、ウォレット、証券会社など、すべての仮想資産サービスプロバイダーを対象としており、金融機関に適用されているのと同じAMLおよびKYC(Know Your Customer:顧客確認)のルールはすべてブロックチェーン企業に適用される。
発表によると、2019年6月21日に国際機関はマネーロンダリングと戦うためのポリシーの開発を担当し、Financial Action Task Force(FATF)がブロックチェーンテクノロジーのコンテキストにおける金融サービスに関するガイダンスを発行したという。
従来の銀行振込については、クライアントと受取人に関する情報はトークンの転送で送信する必要があり(規制されていないウォレットプロバイダーとの間の転送を除く)、その場合にのみ、たとえば、この情報を受け取ったプロバイダーは、制裁リストに対して送信者の名前を確認したり、受取人について提供された情報が正しいことを確認することができることになる。
FINMAがブローカーディーラーライセンスを発行したのはスイスのツーク州にある「SEBA Crypto AG」と、銀行・金融の世界的な中心地として知られるチューリッヒにある「Sygnum AG」の2社だ。
いずれも専門家および機関顧客にブロックチェーンベースの金融サービスを提供することが期待されており、今回のガイダンスがどれだけうまく機能するかを見る上でも重要な働きをすることになりそうだ。
FINMAは、銀行から証券会社、さらにはFacebookの暗号通貨プロジェクトであるLibraまで監督する巨大な連邦機関だ。Facebookの「Libra Association」はスイスのジュネーブに本社があるため、FINMAの監督下に置かれることになる。今回FINMAによって発表されたガイダンスは、Libraの今後の動向を左右し得る要素にもなりそうだ。
参考:FINMA