世界の190の国と地域で児童支援を行う国連機関ユニセフ(国連児童基金)は10日、イノベーション基金を通じて新興市場における6つのブロックチェーンプロジェクトに計10万ドルの補助金を投資することを公式ホームページで発表した。
投資されるブロックチェーンプロジェクトはAtix Labs、Onesmart、Prescrypto、Statwig、Utopixar、W3 Engineersの6つ。
アルゼンチンに本拠を置くAtix Labsは、中小企業へ向けてファンドへのアクセスを可能にするプラットフォームを構築。OnesmartとPrescyptoはメキシコを拠点に置く新興企業で、Onesmartは資金の悪用問題に対処するためのアプリケーションを作成。Prescyptoは患者の病歴を電子カルテを用いて共有するサービスを提供している。
インドに本拠を置くStatwigは、ワクチンの供給効率を向上させるため、ブロックチェーンソリューションを使用したサプライチェーン管理プラットフォームを構築。バングラデシュを拠点に置くW3 Engineersは、移民と難民のコミュニティを結びつけるため、SIMカードやインターネット接続を必要としないオフラインのモバイルネットワーキングプラットフォームを作成。チュニジアに拠点を置くUtopixarは、コミュニティや組織によって行われる"意思決定"や"価値の移動"のためのソーシャルツールを構築している。
ユニセフ・イノベーション基金の主任顧問、Chris Fabian氏は、「ブロックチェーンの技術はまだ初期段階にあります。これからたくさんの試験や失敗、学びがあるでしょう。より良い世界を作るため、その技術を“どこで”、“どのようにして”利用していくかを知っていくことになるでしょう。」と語り、ブロックチェーン技術の開発促進に向けて取り組む姿勢を示した。
ユニセフはこれまでも世界が抱かえる様々な問題を解決するために多くのスタートアップに資金援助を行ってきており、スタートアップへの投資は今回が初めてではない。
今回は上記6社に、12ヶ月以内にブロックチェーンプラットフォームのオープンソース試作を提出するように設定しており、技術が成功すれば、ユニセフが対象とする190の国で適用される機会になる。今後も6つのプロジェクト進捗は追っていきたい。
参考:ユニセフ