MicrosoftのクラウドプラットフォームであるMicrosoft Azureからブロックチェーン開発キットがリリースされた。サーバーレスで構築される各種サービスをつなげてインターフェースの接続、データとシステムの統合、スマートコントラクトの展開といったブロックチェーンの主要テーマを実現する。
インターフェースの接続ではSMSによるI/O、Azure IVR、IoT、iOS/Androidのモバイルクライアント、Cortana/Alexa/GoogleAssistantといったBOTなど様々な手段でブロックチェーンへの接続を提供することで、共同事業におけるエンドツーエンドでブロックチェーンへのアクセスを容易にし、各段階で状態の変化を自動or手動で記録することもでき、エンドユーザーがそれらを確認することもできるようになる。
また、ビジネスにおいてブロックチェーンに刻まれた情報以外にも例えば音声や画像などのメディアが求められるが、オフチェーンにあるデータとの統合もAzureのプロダクトで実現可能だ。Microsoftがかつてエンタープライズシステムの統合にBizTalkを開発し、データベースの統合のためにODBCの共同開発をした経験がブロックチェーンにも活かされているという。
そして、Ethereum、Cordaなど既存のスマートコントラクトを拡張するためのFlowコネクタをリリース予定であることも発表した。既にEthereumブロックチェーンコネクタは利用可能となっており、コントラクトを展開したイベントを元に他のアプリケーションを起動することができる。
サーバーレスやクラウドを利用したマイクロサービスの組み合わせが求められているエンタープライズ開発で、ブロックチェーンが主流となるべくAzureのブロックチェーン開発キットが利用されていくだろうか。Ethereumのスマートコントラクト開発用フレームワークのデファクトスタンダードであるtruffle創始者であるTim Coulter氏も協力態勢にあり、DevOpsのためのサンプルファイルなども提供されている。
世界最大級のアプリケーションベンダーでもあるMicrosoftが開発環境を用意したというのは開発者にとって後押しとなるのは間違いないだろう。