国際通貨基金(IMF)は12日、技術に関する将来の政策の軸として、ブロックチェーンを用いた継続的な研究と実験を計画をしていくと述べた。
シンガポールで12日から16日までの5日間で行われているフィンテック・フェスティバルにて、IMFの法務部副長官のRoss Leckow氏がリップル社のCEOであるBrad Garlinghouse氏と共に講演した。
IMFのLeckow氏は「IMFはフィンテック、とくにブロックチェーンには強い関心を持っております。しかし、その他の多くの新しい技術を知らないと、ブロックチェーンについて議論することができないと思っております。」と語った。
さらに近年出版されたさまざまな文書を参照し、仮想通貨とブロックチェーンに関するIMFで進行中の研究努力を強調した。とくに加盟銀行や政府が新興セクターをどのように扱い規制するかについての指針にはかなりの関心を示しているとLeckow氏は付け加えた。
「ブロックチェーン技術は、クラウドコンピューティング、デジタル資産、API、モバイルなどの他の技術動向の観点から議論されなければなりません。私たちの加盟国はアドバイスを求めています。彼らは、フィンテックの利益にどのようにアプローチすればいいのか、またリスクを最小限に抑えるための規制もまとめたいと考えています。研究の出版に加えて、IMFは民間部門や業界と密接に関わっています。」
講演の最後に行われた聴衆からの質疑応答で、将来中央銀行がデジタル通貨を発行する可能性についてLeckow氏の見解を尋ねられた。同氏は世界中の多くの国が集中的に裏付けされたデジタル通貨の可能性と利用を真剣に検討していると指摘した。
しかし、Leckow氏は、銀行の研究の大部分が国レベルの仮想通貨の発行は伝統的な技術に対して大きな利点がないことを示していたと述べた。しかし、将来的には利益が得られる可能性があり、多くの銀行が進行中の調査と試行を重ねているため、これは変わる可能性があるとも語った。
「セキュリティ決済システムのような他のものと組み合わされると、ユースケースが現れ始めるでしょうから、広い心を持って待ちましょう。」
IMFは保守的な国際機関として知られるが、その法務部副長官が規制面に関する研究や世界銀行との協力を進めていく方針を語ったことはブロックチェーン規制の進展にとって重要な出来事と言えよう。
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