米銀行持株会社のキャピタル・ワンが、ユーザー認証にブロックチェーン技術を実装する特許申請をした。
米国特許商標庁(USPTO)が16日に公表した出願書類によって明らかとなった。
同書類によれば、現在も審理が続いている特許申請で、キャピタル・ワンが2017年6月にUSPTOに提出したものであり、提案されているシステムはブロックチェーンをベースとし複数の会員プラットフォーム内で、ユーザーの認証情報を受信、保管、記録、検索ができるように設計されている。
さらにユーザーの個人データをブロックチェーン内に記録することで、認証システムの会員がその認証情報を使い、データベースからユーザーの識別情報を検索できるようになるという。
使用事例として、KYC(顧客確認)要件など、法定要件や規制要件に従う業務プロセスにおける認証のためのシステムを挙げている。
この特許申請書類は、その種の認証要件は対応に時間とリソースがかかり、機関にとって重荷となる場合があると説明している。
ユーザーは最近、異なる機関に関連する複数のコンピューターシステムを行き来する際、繰り返し認証の要求に対応しなければならない場合があり、機関とユーザーは、複数の機関の認証を相互に取り扱う共同の認証システムから、メリットを享受することができることも付け加えている。
提案されているシステムは、ユーザーや機関が認証記録が誤りまたは不正確であるとして後で異議を申し立てるのを防ぐため、拒否することができない仕組みとなり、また個人情報の共有はユーザーと機関の間だけで制限される。
今回、キャピタル・ワンのみの個人認証の特許となっているが、昨今ブロックチェーン技術の開発や採用が進んでいることもあり、今後他の金融機関との連携が進むことも考えられる。同技術の個人認証がスタンダードになる可能性も十分にあるだろう。
参考:USPTO