ドバイ最大の銀行グループの1つであるエミレーツNBDが、小切手偽造など不正防止のため、ブロックチェーン技術を導入したと21日、Arabian Businessによって伝えられています。

小切手におけるブロックチェーン技術は、発行された小切手の信頼性とUAE(アラブ首長国連邦)の銀行業界全体としてのセキュリティ基準に対して信頼性を高めるように設計されています。

同地域での銀行では初めての試みであり、同様のシステムは今後他の銀行にも波及する事も考えられます。このシステムは小切手ごとに固有のQRコードを印刷し、ブロックチェーン上に記録されます。小切手にこのようなQRコードを印刷する事は画期的な事であり、管理には効果的な方法と言えるでしょう。

エミレーツNBDのCOO(最高執行責任者)であるAbdulla Qassem氏は、今回の発表の中で以下のように述べています。

「今回のイニシアチブは、特に不正詐欺の防止を通じて、リスクとセキュリティ管理のプロセスを大幅に強化します」

また、今回の試みによる顧客や関係金融機関の反応を見ていきたいと考えていると見られ、今後の展開としては以下のように見通しています。

「最初の月に、銀行はブロックチェーンを使用して100万枚に近い小切手を登録し、ブロックチェーン技術活用の可能性を模索しています。これはUAEの他の金融機関と協力しています。」

従来の小切手は紛失や盗難によって被害を受けた場合に対処できないこともあったことから、今後QRコードを通してブロックチェーン上で管理する事で、このような被害に対して救済する事ができます。

紙とブロックチェーンとをQRコードで結びつけるシステムができれば、紛失した場合でも第三者による改ざんがされないため、顧客は不安なく小切手を利用できます。エミレーツNBDの今回のシステム導入は既存の規格に対しても影響を及ぼすことでしょう。

UAEはブロックチェーン技術の導入における世界的なリーダーになることを目標に掲げていることから、銀行や金融機関を筆頭に今後も様々なブロックチェーン技術の導入事例を明らかにしていくでしょう。

参考:Arabian Business