スウェーデンで国土測量庁のラントメーテリエットが、同国初となるブロックチェーン技術を使った不動産取引をまもなく実施することが分かりました。7日、Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)によって伝えられています。
ラントメーテリエットの最高デジタル責任者である、マッツ・スナル氏は、技術的には2年の試験期間を終えた事もあり、準備万端だと発言している事から安全確実に不動産取引ができると見られています。さらに、同プラットフォーム上では不動産売買をする有志を選定していることも明らかにしています。
ラントメーテリエットがこれまでに渡ってブロックチェーン技術を検証しながら実用化に目指して進んだ経緯として、16年にはブロックチェーンの導入テストを着手し、17年7月にはクロマウェイ社が提供するブロックチェーンのネットワーク上での土地や不動産の登記を開始しています。これにより、従来のシステムでは売買から登記まで3~6ヶ月かかる場合もありましたが、ブロックチェーン技術により数時間に短縮できる可能性があるとのことです。
クロマウェイ社からは商談のためにもはや国内にいる必要もないとしており、ブロックチェーン技術のメリットを大いに活用しています。このケースから、日本の国内においても良い参考例として見ることができます。例えば書類ベースの場合、不動産以外にも国の関係省庁に申請する場合はとにかく時間がかかってしまいます。
ラントメーテリエットのケースを見て、商談する場合には不動産会社は有店舗を持つ必要が無く、現地で購入する人と話し合い、その場で商談が成立すれば、携帯しているスマホやタブレットにて契約を交わすことが可能になると考えられます。このようにブロックチェーンにより登記が当日で完了するために大幅な時間の短縮になります。
また、ブロックチェーンは改ざんができないことがメリットであるために今後不動産業界に活用することが活発になってくれば、気軽に不動産取引契約ができ、第三者による不正登記のリスクをも回避することができます。
日本においては関係省庁だけでなく関わる業界団体での協力関係が必須となりますが、本当のペーパーレスで改ざんされない社会を作るためには、ブロックチェーン技術の活用が鍵を握っているのではないでしょうか。キャッシュレス化の進むフィンテックの先端、スウェーデンを参考に日本でも技術の実用と普及が期待されています。