スイス大手の金融持株会社、UBSの会長であるアクセル・ウェーバー氏が世界経済フォーラム(ダボス会議)における講演の中でビットコインに対する見解を示しました。CNBCによって伝えられています。

ウェーバー氏は以前からビットコインは通貨としての機能が備わっていないなどと、懐疑的な見方をしていますが、今回は顧客に対して勧告できるものではないとし、機関投資家と個人投資家に区別していると述べました。

「私たちは区別をしっかりとしております。機関投資家(ビットコインに投資することのリスクについては当然理解している)が、もしビットコインに投資したいと思っており、私たちにビットコインへのアクセスや市場への参入の手助けを求めてきたら、小口の顧客(個人投資家)とは区別して見る必要があります。」

また、ウェーバー氏は投資するにあたって知識やリスクについて理解する必要があるとし、以下のように指摘しました。

「ビットコインは明らかに投機的です。私はそれを通貨とは呼んでいません。小口の顧客(個人投資家)はリスクを負う能力やそれに投資する知識がありません。」

また、機関投資家にビットコインの取引を提供することについても、アドバイスできないとし、以下のように話しています。

「これ(ビットコインへの投資)は私たちがアドバイスする投資ではありません。」

ビットコインに限った話ではありませんが、そもそも仮想通貨全般において、歴史が浅いため、投資アドバイスを求めるようなものではないとの見方もできます。これは個人投資家はもちろんのこと、リスク管理の厳格な機関投資家などは特に当てはまるのではないでしょうか。これについては賛否両論、意見が別れるところだと思われます。

ウェーバー氏はビットコインに対しては依然、警戒していますが、その根幹技術であるブロックチェーン技術/DLT(分散型台帳技術)に関してはオープンで理解を示しています。

例えば、UBSはIBMとともに、貿易金融向けのブロックチェーン・プラットフォームのBataviaを開発しており、モントリオール銀行、カイシャバンク、コメルツ銀行、エアステグループといった世界の大手銀行・金融機関をサポートしていく計画を立てています。

また、この他にもUBSは、リップル社のパートナーのうちの1社としても名を連ねています。

参考:CNBC