スイス国立銀行の総裁である、トーマス・ジョルダン氏が23日、スイス・バーゼルで行われたイベントの中で、ビットコインなどの仮想通貨について、以下のように述べました。REUTERSにより伝えられています。
「中央銀行は仮想通貨の問題に対して、非常に集中して取り組んでいます。私は仮想通貨を通貨としてより、投資の方が多いと見ています。」
「これは技術の問題ではなく、中央銀行の資金に誰が、どのようにアクセスできるのか、ということが問題です。解決できていない問題がたくさんあります。」
スイスではクリプトバレーとして、ツークが知られています。同州では税金をビットコインで受け付けるなど、世界的に見ても仮想通貨に対して先進的な国であることは間違いないでしょう。
また、ブロックチェーン技術の発展、普及も目覚ましく、例えば居住証明などの個人情報の登録をイーサリアムブロックチェーンで行ったりと、革新的な技術には寛容です。
仮想通貨を通貨としての利用、普及させるには十分な時間が必要です。現状、日本でも通貨としてよりも投資対象としての取引の方が多いでしょう。管理者のいない非中央集権が仮想通貨の特徴とも言えますが、通貨本来としての利用であれば、やはり、国や政府が管理するべきなのかもしれません。
各国の中央銀行では、自国独自のデジタル通貨(仮想通貨)の発行を検討しています。例えば、最近ではロシアがルーブルを暗号化させた「クリプトルーブル」の開発を進めていたり、スウェーデンでも同様に「Eクローナ」を発行する予定となっています。
ECB(欧州中央銀行)では仮想通貨に対して懸念をしていますが、スイスなど先進的な国々が率先して問題を解決していけば、いずれ受け入れざるを得なくなるのではないでしょうか。今後、ますますの技術発展に期待の声が高まっています。
参考:REUTERS