AnyPayは8月28日、ICO(イニシャル・コイン・オファリング:仮想通貨を使った資金調達)のコンサルティング事業を行うことを発表した。2017年9月から開始する予定としている。

このコンサルティング事業では、ICOの実施に必要な業務をワンストップで提供するとしている。日本国内では浸透の浅いICO。独自の通貨やトークンと呼ばれるものを発行し、ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨で資金調達をするのが一般的な方法とされる。しかしながら、情報や知識、法的な部分が分かりづらいということもあり、実施する企業もまだ少ない。

AnyPayが今回行うコンサルティング事業では、仮想通貨に有識なプロフェッショナルがチームを組んで必要なサポートをするとし、トークンの発行や組成、法律面から、会計観点でのスキーム検討、国内外へのマーケティングまで、ワンストップで取り組むというので、VCよりもICOで資金調達をしたいけど、何をすればいいか分からない、というスタートアップには大きなチャンスとも考えられる。

仮想通貨やデジタルトークンの仕組みが分からなくても、仮想通貨の発行システムの開発もしているというので、安心できそうだ。料金体系はプランによって変わるとし、調達した資金のパーセンテージというプランも検討しているとのこと。

「仮想通貨」や「暗号通貨」、「ICO」などと聞くと、怪しいものという印象を持っている方も少なくない。確かにネズミ講のようなマルチ商法や、詐欺的なスキーム、買い煽りの仕手や、中には実態のないコインの販売などもある。

こういったものを排除するために、このようなコンサルティングサービスが普及していけば、投資家たちの見る目も変わってくるだろう。しかし、「ICOに出資すれば必ず儲かる」ということはないので、その企業がどういったプロジェクトを意図しているのか、といったところや会社の規模や運営状況など、その他にも多角的な面で判断をすることが望ましい。

AnyPayは、わりかんアプリの「paymo」やオンライン決済サービス「AnyPay」を提供している。代表取締役社長を務めているのは木村新司氏。Gunosyを立ち上げ成功に導いたことでも知られている。また、木村氏は投資家としての一面もあり、フィンテックやブロックチェーン関連事業、仮想通貨関連の会社に投資を行っているという。

自社のICOを行う予定はないとのことだが、年内には2社のICOを予定しているという。今後、日本国内でもICOが増えてくれば、ますます投資家たちの関心を集め普及、一般的なものになる日も遠くないかもしれない。