英国財務省はステーブルコインを規制する方針を明らかにした。規制によりステーブルコイン発行者とプロバイダーが英国で事業を展開し、成長するための条件が整い、財政の安定と高い規制基準が確保されると述べている。

先週、アルゴリズムステーブルコインのUSTとLunaが米ドルとの連動を失い崩壊。これらを受けて各方面でステーブルコインを規制する計画が進められてくるだろうと多くのメディアで報じられてきた。

一方で英国としての考えは、アルゴリズムによるステーブルコインは安定性を保証するものではなく、規制法案に含めるものではないとしている。USTやLunaはそのアルゴリズムによるステーブルコインの一例でもある。

チャールズ皇太子は先週、スピーチにおいて次の議会年度に向けた英国政府の立法議題の概要を説明した。いくつか提案された法案のうち、2つが暗号通貨に関連するものであった。

英国政府は4月に、国をグローバルな暗号通貨金融ハブ、および「暗号通貨のもてなし場所」とする詳細な計画を発表している。この計画には暗号通貨の動的な規制フレームワークの確立、支払いステーブルコインの規制、王立造幣局との協力による非代替トークン(NFT)の作成などが含まれた。

英国財務相のリシ・スナック氏はこの計画を「英国の金融サービス業界が常にテクノロジーとイノベーションの最前線にいることを保証する」と説明した。

アルゴリズムによるステーブルコインは支払いに用いられるステーブルコインと異なり、裏付けのない暗号資産と特性を共有しており、支払い目的には適していないと改めて強調。

米国の議員もまた、USTの崩壊を受けてステーブルコインの緊急規制を求めたが、ジャネット・イエレン財務長官はステーブルコインに対して「現在の米国の金融の安定に対する本当の脅威ではない」と考えを明らかにした。