三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループ、みずほフィナンシャルグループの3大メガバンクとJR東日本などを含む10社程度がデジタル通貨や電子マネーの相互運用に向け協議を始めることが日本経済新聞により発表された。キャッシュレス決済への需要の高まりに合わせ、各社での囲い込みよりも利便性をあげていく試みとなる。

既にみずほ銀行は地銀と連携しQRコード決済のJコインペイを発行し、三菱UFJ銀行はMUFGコインの発行を検討しているところだが、新興系の「ペイ」アプリに遅れを取っている現状は否めない。

とりわけ利用者数の多いのが交通系ICカードの「Suica」で、現在発行枚数は約8000万枚となっており、大手コンビニや飲食チェーンなど利用シーンは多く見られるが、ユーザー間取引、銀行口座とのやりとりができないなど利便性においてQR送金系に及ばない部分もある。

顧客にとって一長一短のサービスが乱立するというのは競争力の面では健全と言えるかもしれないが、できれば便利なアプリケーションを複数から選びたいものであり、かゆいところに手が届かない現状は歓迎出来るものではなく今回の協議に期待する声も多く聞こえるだろう。

協議会を立ち上げたのは仮想通貨交換業を営むディーカレットで、オブザーバーとして金融庁や日銀、経産省なども参加する。それぞれの既存ユーザーが別のサービスでも取引を出来るようなプラットフォームの構築を目指し、取引内容の記録にブロックチェーンなどを利用するべきかといった議論を進める予定となっている。

現段階での課題としては無記名で利用開始が可能であるSuicaが銀行口座と相互運用可能になればマネーロンダリングへの対策強化も必要になる点などが挙げられている。

参考:日本経済新聞