アメリカを拠点に仮想通貨関連に特化した法律をサポートするグレシャム・インターナショナル社が、パラグアイ政府から持ちかけられた相談により、仮想通貨法案の制定に関してパートナーシップを結ぶことを明らかにしたと、米仮想通貨メディアCryptoSlateが報じた。

パラグアイは今、世界中のマイニング関連の会社がこぞって集まっている状況である。豊富な自然エネルギーを持っており、しかも安い値段でそれが使えると言うのがその理由だ。現時点ではマイナーに対応した法律がないため適切な税金を課せていないことが問題となっており、解決のためにパラグアイ政府はグレシャム・インターナショナル社に相談することとなった。

グローバルビジネスであるマイニング事業において原価の安いところにリソースが集まるのは当然の帰結と言え、パラグアイに限らす電気代の安い国々では似たような問題が数多く立ち上がっている。マイニングに必要な電力を需要のままに供給していては化石燃料による温室効果ガスの排出など自然破壊に警鐘を鳴らす有識者もいる。

一方でパラグアイには世界的にも有名なクリーンエネルギーの供給地であるイタイプ水力発電所を有しており発電能力は1400万キロワットにも及び、実発電量では世界一を誇る実績もある。ブラジルとパラグアイの国境に位置するイタイプダムで発電された電力はそれぞれの国で均等にわけられているが、パラグアイの国内需要を十分に満たしているため、余った電力はブラジルに売電されている。

この余った電力の利用先としてパラグアイ政府はマイニング用の施設を造ろうとしており、国益として有効活用しようという算段である。パラグアイ単体でみれば余った電力の有効活用ではあるが、その余った電力を購入していたブラジルで足りなくなった電力はどこで補填されるかを考えると、世界規模でいえば必ずしもクリーンエネルギーの有効活用とは言い切れない部分もあるかもしれないが、パラグアイのもつ地理的優位の権利行使を止める筋合いはどこのだれも持たない。

韓国に構えるブロックチェーン関連のコモンズ財団もまたパラグアイ政府との提携を発表している。仮想通貨の利用により電力利用の競争が働くことでパラグアイの経済成長が大きく促される可能性も見えてきた。

参考:CryptoSlate