フランスが他のEU加盟国に対し、自国と同様の暗号通貨規制を採用するよう説得しようとしていることがわかった。16日、ロイター通信により伝えられている。

フランスの経済財政相Bruno Le Maire氏は、フランスが先週承認したものと同様の暗号通貨規制を採用するよう、他のEU諸国に奨励すると述べた。

報道によると、暗号通貨の発行者や貿易業者の利益に対価を課しながら、公定の承認を与えることで、フランスに引き付けることを目的としているという。

先週フランス議会が可決した新たな法律により、暗号通貨事業者は、新規コインの発行または取引プラットフォームの背後にいる人物の検証、また、事業計画およびアンチマネーロンダリング(AML)保護を監督することを目的とした認証の申請が必要となった。

Le Maire氏は、「フランスの経験に基づいた暗号資産の規制の枠組みを設定することを、ヨーロッパのパートナーたちに提案します。私たちのモデルが正しいモデルです。」と語った。

Le Maire氏が挙げている規制で強調しているのは、先週フランスの国民議会で可決された、仏国内の生命保険会社に仮想通貨投資の上限額を設けないとする法案だ。個人から企業への貯蓄のリダイレクトを含む、地元の事業開発を促進することを目的とした法案が採択され、この法案により、フランスの保険会社は投資額に制限を設けずに暗号通貨に投資することが認められた。

先月には、スイス政府の立法機関である連邦議会が、現在の法律を暗号通貨規制に適合させるよう連邦議会に指示する運動を承認した。この動きは、暗号通貨の利用者をマネーロンダリングのような違法行為から保護することについての認識の差を埋めることが目的とされている。

欧州銀行当局(EBA)は今年1月、暗号通貨についてのさらなる調査を勧告し、2019年はこの部門に関連する「多数の行動」を実行する予定であると述べた。組織はまた、暗号通貨に関連するリスクに関する透明性と適切な公的警告の必要性を強調した。

フランスは仮想通貨の規制に積極的に取り組んでいる国の一つであるが、他国政府が規制に消極的な中で積極的に取り組むことで、仮想通貨ビジネスをフランスにひきつけ、規制に遵守する企業に課税していくという意図が見受けられる。

フランスの規制に対する肯定的なスタンスが、その他の欧州各国にどのような影響を及ぼすのか、今後も注目していきたいところだ。

参考:Reuters