米先物取引所運営大手CME(シカゴ・マーカンタイル取引所)グループのCEOであるTerry Duffy氏は25日、米ビジネスニュース・メディアのBusiness Insiderのインタビューで、ビットコインの通貨発行量に制限がかかっていることが原因で、規制当局から承認を得ることが難しくなっていると言及した。
「政府は債務を持てない限り、つまりは赤字でも運営が可能でなければ、運営することは出来ません。彼らは“全て平等に、責任のある運営をしていきたい”と言いますが、仮想通貨の通貨発行量が制限されていることで借入することもできない状態です。」
Duffy氏は、暗号通貨の最大のセールスポイントである“供給量の制限”が、採用の妨げとなっていると指摘した。同氏はさらに、仮想通貨が比較的新しい金融商品であることから、規制当局は慎重な姿勢をとっているとも指摘した。
「規制当局は、暗号に関するものであれば何でもゴム印を貼って許可するという風潮に対して警戒をしているのです。規制当局が快適に動くためには、彼らにとって必要な製品を用意する必要があります。ただ、ビットコインのような新しい金融商品では快適に動くというのは非常に難しいことです。」
さらに、Duffy氏は、米ドルやユーロの担保があるステーブル・コインは、本来ある伝統的なお金の特徴をいくつか備えているため、より多くの注目を集めると考えているとも語った。
世界各国の政府が暗号通貨の受け入れを開始しない限り、大手商業銀行は市場に参入する可能性は低いとDuffy氏は強調した。
ステーブル・コインこそが暗号通貨の最良のユースケースであると支持する起業家や金融専門家も多く、例えば、ドルで裏付けられたステーブル・コインの「Geminiドル(GUSD)」を発表したWinklevoss兄弟らは、ステーブル・コインとトークン化された証券こそが暗号通貨イノベーションの未来であると考えている。
現在、機関投資家の関心を集めているビットコイン先物の申請は依然として許可がされないままだ。法定通貨と同じような特徴をもつステーブル・コインは確かに受け入れやすいが、ビットコイン先物取引を運営する仮想通貨プラットフォームのバックト(Bakkt)の企業価値は、約7億4,000万ドル(約821億円)と評価されており、その動向は多くの投資家や仮想通貨ファンに注目されている。