イーサリアムのアップグレード「Constantinople」と「St. Petersburg」の実装が28日に行われることが明らかになった。22日、イーサリアムが公式ブログで発表した。
発表によるとアップグレードは28日予定とされているが、性質上マイニングの予測が不可能なため、実装は予定日から1~2日前後するという。
アップグレードにはConstantinopleとSt. Petersburgの2つがあり、同じブロック番号(ブロック番号:7280000)で2つのプロトコルのアップグレードが必要とされている。
これは延期前のConstantinopleがテストネットワークに既に適用されているため、元のConstantinopleの変更を最新版に変更するために2つめのアップデートとしてSt. Petersburgが必要となるため、同じブロック番号で発動される。
Constantinopleは、もともと先月17日に行われる予定であったが、リエントリー攻撃への脆弱性が監査機関ChainSecurity社の指摘で発覚したことから、イーサリアム財団はアップグレードの延期を発表していた。
アップグレードはプラットフォームに複数の効率改善をもたらすと同時に、コンセンサス(合意形成)アルゴリズムの1つである「ディフィカルティ・ボム(difficulty bomb)」の遅延と、イーサリアムのブロック報酬の減少をもたらすとされている。
difficulty bombは、イーサリアムがProof-of-Stake(PoS)の合意アルゴリズムに切り替えた後も、マイナーがブロックチェーン上での活動を継続できないようにするための機能である。
しかし、PoSの実装が延期され続けているため、イーサリアムの開発者はPoSが実装される前にブロックチェーンをフリーズさせないよう、difficulty bombを遅延させる必要がある。
Constantinopleのアップグレードが実装されれば、difficulty bombを約12ヶ月間遅らせることが可能になる。
また、より簡単なマイニングプロセスを補うために、ブロック報酬を1ブロックあたり3ETHから2ETHへと低減するという、いわゆる「thirdening(33%削減)」も行われる予定だ。
もう1つのネットワークアップデートであるSt. Petersburgは、イーサリアムのテストネットワークから前回のアップデートである「Ethereum Improvement Proposal 1283(EIP1283)」を削除することを目的としている。