自動車会社として知られるフォード・モーターカンパニーはIBMと協力し、IBMのプラットフォーム上でブロックチェーンの試験を実施したと発表された。
現在、リチウムイオン電池に使用するためのコバルトの需要が高まっており、ハイブリッドやEVなど、自動車分野においても他人事ではなくなってきている。一般的なノートパソコンに必要なコバルトが約1オンス程度と言われているのに対し、典型的な電気自動車のバッテリーには20ポンドほどと、ノートパソコンの約320倍のコバルトが必要とされる。
世界のコバルトの生産の大部分はコンゴ共和国から供給されているが、政治的不安や法の不透明性、児童による労働など不平等な取引の上に成り立っていることは否定できない。
これまでにもコバルトのサプライチェーンを追跡する試みはされてきたが、正確な電子データを遠隔地から同期させることに苦戦を強いられてきた。
そこでフェアトレードを実現するためのサプライチェーンにブロックチェーンを使用した。プラットフォームはIBMを選択し、フレームワークにはHyperledger Fabricが選ばれた。IBMのManish Chawla氏によればこのプロジェクトは世界初の鉱物のサプライチェーンとなるようだ。
最終的にはコバルトのみならず様々な鉱物の供給を追跡する計画があるが、ひとまず各企業が経済開発協力機構(OECD)のガイドラインに従うことが重要だと述べた。
その意識がなくとも知らず知らずのうちに部品、原材料レベルで労働力の搾取をしてしまっている可能性がある。物事を実現するために技術は大きな力となるかもしれないが、最も欠かせないのは意識ということだろう。
参考:Forbes