米仮想通貨ニュースサイトのCCNは10日、仮想通貨ダッシュ(DASH)の1つのウォレット所有者がハッシュレートの51%を所有している可能性が高いことを報じた。
CCNは、このことを指摘したのは米国版2chとして知られるRedditのユーザーで、ダッシュが一つのウォレットによって制御されている可能性が高いことを指摘していると明かした。
ユーザーの分析によると、最近作られた数千のブロックは3つのアドレスによって作られており、この3つのアドレスは全て1つの管理下にあるという。上位4つのうち3つのアドレスは全てトランザクションのインプットとして使われており、この3つだけで53%を占めるというのだ。同時に大量のハッシュを集めるなどしており、こうした動きは6ヶ月前から見られていた。4つ目のアドレスも、同一管理下にある可能性が高いと予測されている。
これらのアドレスがマイニングしたのは執筆時点で26,665個で、これは573BTCもしくは約220万ドル相当に値する。現在51%攻撃に対する有効な対策はなく、分散型ブロックチェーンネットワークに重大なセキュリティ上の責任を負わせている。ライトコイン(LTC)の創業者であるCharlie Lee氏は最近、ネットワークは地方分権化のため51%の攻撃に対して脆弱でなければならないと述べたが、マイナーの集中化はネットワークに脅威をもたらしているのも事実だ。
昨年11月に、ダッシュは51%攻撃の対策として「Chainlocks」と呼ばれる保護メカニズムに取り組んでいると発表したが、ユーザーはすぐにでも51%攻撃を始めれる状況にあるため、Chainlocksが実行される前に51%攻撃がなされる可能性もある。こうした状況が変わらない限り、ダッシュでサービスを提供する人は非常に注意する必要がある。
分かっていることは、マイニング専用に設計された集積回路「ASIC」を使ってダッシュをマイニングするために、誰かが莫大な投資を行ったということだ。ASICはダッシュのプルーフ・オブ・ワークを可能な限り最大限の効率性で解くようにデザインされているが、ダッシュのX11アルゴリズムはかつてASICの開発を妨げた。開発者はメモリー増加によってX11アルゴリズムを処理することに成功したが、昨年のモネロ(XMR)のケースを考えると問題は解決したとは言い難い。
かつて、モネロはASICが使えない仕組みを採用していたが、モネロ用のASICが市場に投入されたことで、モネロを開発している団体がハードフォークを公表し、昨年10月にハードフォークが行われた。ダッシュでも同じことが起こりうるだけに、引き続きダッシュの動向に注意していきたい。
参考:CCN