ドイツの中央銀行であるドイツ連邦銀行と、フランクフルト証券取引所の運営を行うドイツ取引所は、2016年3月にBLOCKBASTERという共同プロジェクトを立ち上げた。
同プロジェクトの目標は、銀行と証券取引所の後方業務の改善においてブロックチェーンの有用性を検討することであった。目標の一環として、有価証券と現金の決済におけるブロックチェーンベースの要素をテストするための概念的プロトタイプの作成があった。
今月25日に発表されたプレスリリースによると、証券取引、支払い、利払い、社債が満期となった際の返済のブロックチェーンベースの決済に関する2つのプロトタイプのテストに成功したという。
リリースによると、「このテストで、いずれのプロトタイプも実際の金融市場のインフラストラクチャの生産的運用に適しており、今後もさらなる開発と基礎として役立つことが示された。」という。
両パートナーは、想定された市場環境下で2つの「技術スタック」をテストすることを選択した。これらのブロックチェーンプロトコルは、Hyperledger Fabric(バージョン1.0)とDigital Asset(DA)プラットフォームで構築された。どちらのプラットフォームも、証券決済において「パフォーマンスを向上させる可能性がある」と、両社は語った。
このリリースでは、ドイツ連邦銀行の理事会メンバーであるBurkhard Balz氏は、高大量のアプリケーションにブロックチェーン技術が使用される可能性を見て、 「当初から金融セクターに求められていたことを構成するアーキテクチャへのアプローチは、間違ってはいなかったことが証明された。」と語った。
Clearstream Banking FrankfurtのCEOで、DeutscheBörseGroupのClearstream Global Operationsの責任者であるBerthold Kracke氏は、「今回のテストにより、ブロックチェーン技術は決済や金融インフラ分野のインフラストラクチャに適していることが証明された。」と語り、製品を証券業界のニーズに合わせて調整するデジタル資産の専門知識を賞賛した。
BLOCKBASTER最終報告書には、「このプロジェクトは純粋に研究目的のためであり、運用システムの制作を意図したものではありません。」と記録されているが、報告書の結論とプレスリリースのコメントでは、「私たちは、金融業界に提供されているブロックチェーンやDLTベースのソリューションは、スケーラビリティの面で大幅に改善されていることを認識しました。このプロジェクトで使用されていたテクノロジースタックは、生産的なシステムを構築する可能性がある候補者と考えることができるでしょう。」と記しており、銀行がパイロットの成果とテクノロジーとしてのブロックチェーンと多くの今日の産業にとって輸液剤的な役割を果たしている可能性があることも示した。